対策策定のプロセス
営業の対策は、多角的な模索、実現性の強化、目標との比較の3つを考える
2026年4月15日
お客さんへの訪問が増えない、コンペで負けそう、見込み案件が少ない、・・・
営業は常に様々な問題を抱えているため、売上を上げ目標を達成するためには、適切な対策が必要です。
しかし、適切な対策を考えるのは難しい。
事務作業を減らしても、訪問が増えない・・・
価格を下げても、コンペで負ける・・・
展示会に出展しても、見込み案件が増えない・・・
みなさんは適切な対策を考えられていますか?
システム開発会社のセントテクノロジーでは、営業1課のマネージャーAさんが悩んでいました。
今期の営業部の方針は、新規開拓営業を徹底する。
だけど、部下が新規のお客さんに訪問していない。
みんな忙しいのはわかるんだけど、なんとかしないと・・・。
営業1課の営業会議で・・・
マネージャーAさん
「新規のお客さんへの訪問が増えてないじゃないか?」
部下Bさん
「忙しくて訪問する時間がないですよ」
部下Cさん
「うちの会社は会議が多すぎるんですよ」
「営業会議は毎週2時間もやってるし、技術部との案件ミーティングも多いし、減らせないですか?」
マネージャーAさん
「うちの営業は技術部の協力が必要だから案件ミーティングは減らせないよ」
部下Bさん
「そうしたら、せめて営業会議は1時間にしませんか?2時間は長すぎますよ」
マネージャーAさん
「でも、いつも2時間はかかっちゃうじゃないか」
部下Cさん
「一人ひとりの報告が長いんですよ」
「報告時間を5分程度にすれば1時間で終わるんじゃないですか?」
マネージャーAさん
「わかった、そうしたら次回から一人5分で報告するようにしよう」
そして1か月後の営業会議・・・
マネージャーAさん
「新規のお客さんへの訪問が増えてないじゃないか?」
部下Bさん
「忙しくて訪問する時間がないんですよ」
部下Cさん
「営業会議が長いんですよ」
「一人5分で報告するようにしようって言ってたけど、結局2時間かかっているし」
部下Bさん
「営業会議は隔週にしませんか?」
マネージャーAさん
「そうだな・・・」
「そうしたら、ちゃんと営業管理システムに営業進捗と案件情報を登録する?」
「毎週、部長に営業進捗を報告しないといけないから、ちゃんと登録してくれるなら隔週にしてもいいよ」
部下Cさん
「わかりました、ちゃんと登録します」
そして、その1か月後の営業会議・・・
マネージャーAさん
「新規のお客さんへの訪問が増えてないじゃないか?」
部下Bさん
「忙しくて訪問する時間がないんですよ」
部下Cさん
「営業管理システムの登録が大変なんですよ」
マネージャーAさん
「・・・・・」
「新規のお客さんへの訪問が増えてないじゃない か?」「忙しくて訪問する時間がないんですよ」
毎回、毎月、同じ問題について話し合っていました。
そして、改善せず、新規のお客さんへの訪問が増えないまま3か月が過ぎてしまいました。
なぜ、改善しないのでしょうか?
セントテクノロジーでは、営業2課でも新規のお客さんへの訪問が増えないという問題を抱えていました。
営業2課の営業会議では・・・
マネージャーDさん
「新規のお客さんへの訪問が増えてないじゃないか?」
部下Eさん
「忙しくて訪問する時間がないですよ」
部下Fさん
「うちの会社は会議が多すぎるんですよ」
「営業会議は毎週2時間もやっているし、技術部との案件ミーティングも多いし減らせないですか?」
マネージャーDさん
「うちの営業は技術部の協力が必要だから案件ミーティングは減らせないよ」
部下Fさん
「そうしたら、せめて営業会議は1時間にしませんか?2時間は長すぎますよ」
マネージャーDさん
「たしかに2時間は長いよな、次回から1時間にしようか?」
部下Eさん
「でも、どうやって1時間にするんですか?いつも2時間かかってるのに」
マネージャーDさん
「1時間にする方法を考える前に、まずは訪問を増やすためにできることを洗い出そう」
「他に何ができる?」
部下Fさん
「訪問前にAIサービスの確認で時間がかかってるんですよ」
「業界別にお客さんの使い方が変わるので、毎回、企画部に確認しないといけなくて」
マネージャーDさん
「たしかに、企画部への確認にも時間がかかるな・・・」
「あと、アポイントの取り方はどう?展示会の来場者にはアポイントを取れているの?」
部下Gさん
「メールは送っているんですけど、返事がこないことが多くて・・・」
マネージャーDさん
「どんなメールを送っているの?」
部下Gさん
「展示会で名刺交換させてもらったお礼と商品を詳しく説明させて欲しいっていうメールですけど」
マネージャーDさん
「展示会でデモを見せて詳しく説明してるんでしょ?」
「商品を詳しく説明させて欲しいって言ってもアポイントは取れないよ」
部下Gさん
「じゃあ、どうしたらいいんですか?」
マネージャーDさん
「メールの件も後で考えよう」
「訪問を増やすためには、営業会議の時間、企画部への確認方法、それとアポイントの取り方ぐらいかな?」
部下Eさん
「そうですね」
マネージャーDさん
「そうしたら、まずは営業会議の時間から考えよう」
「どうしたら1時間にできる?」
部下Fさん
「一人ひとりの報告を短くした方がいいんじゃないですか?」
「営業進捗は営業管理システムを見ればわかるし、案件状況は訪問後にマネージャーに報告しているから必要ないんじゃないですか?」
マネージャーDさん
「でも、2課のみんなで共有する必要があるだろう」
部下Fさん
「そうですけど、いつも営業進捗と案件状況の報告で時間がかかってますよ」
部下Eさん
「営業進捗は全員が他の人の営業管理システムをチェックして、営業会議までに把握しておけばいいんじゃないですか?」
部下Fさん
「そうですね、あと、案件状況はチャットで共有しておけば報告がいらなくなりますよね?」
マネージャーDさん
「そうだな、そうすると報告の時間を省いて、その時の問題について議論するだけになる」
部下Gさん
「そうしたら1時間で終わるんじゃないですか ?」
マネージャーDさん
「たしかに1時間で終わりそうだな」
「他の人の営業管理システムのチェックと案件状況をチャットで共有、この2つを営業会議までにできる?」
部下Gさん
「外出が多いし忙しいから忘れそう」
マネージャーDさん
「そうしたら営業会議の前日にチャットで確認の連絡を入れるよ」
「営業管理システムをチェックしてなかったり、案件状況をチャットで共有してなかったら会議までに必ずやってね」
部下Gさん
「わかりました」
そして、企画部への確認方法とアポイントの取り方についても話し合いました。
一通り新規のお客さんへの訪問を増やす方法について話し合った後で・・・
マネージャーDさん
「そうすると、トータルでどのくらい訪問する時間を増やせる?」
部下Eさん
「営業会議で1時間削減できて、企画部の確認で2時間ぐらいだから、週に3時間ぐらいかな・・・」
マネージャーDさん
「そうしたら週に1件増やせるだけか」
「計画を考えるとあと1件ぐらい増やさないと」
部下Eさん
「何か問い合わせを増やす方法はないですか?」
「アポイントの取り方を改善しても計画には足りないと思うんです」
マネージャーDさん
「そうだな、販売促進部とセミナーやDMについて考えてみようか?」
部下Eさん
「必要だと思いすよ」
マネージャーDさん
「じゃあ、販売促進部に話してみるよ」
そして、営業2課の翌月の営業会議では・・・
マネージャーDさん
「ずいぶん、新規のお客さんへの訪問が増えたな」
「でも、見込み案件が少ない」
新規のお客さんへの訪問が増えたので、商談や提案で見込み案件を増やす方法について話し合っていました。
営業1課では、訪問が増えずに、毎回、毎月、訪問を増やす方法について話し合っている。
営業2課では、訪問が増えたので、見込み案件を増やす方法について話し合っている 。
この差はなぜ?
営業の一つひとつの問題は様々な要因に影響されています。
「訪問が増えない」という問題も、時間だけでなく、営業のやり方、個人の能力やモチベーション、環境、社内の協力、・・・。
また、営業は、引き合いや提案、交渉、社内調整、トラブル対応・・・、雑多な仕事を抱え、いきなり入ってくる仕事も多い流動的な仕事。
対策を考えても、行動すること、徹底することが難しい仕事です。
この様々な要因に影響され、行動することや徹底することが難しい営業の対策では下の3つが必要です。
【営業における対策策定のプロセス】
①.多角的な模索
まずは、多角的な視点でたくさんある材料から対策になりうるものを探しましょう。
様々な要因が影響するということは対策の材料になるものもたくさんあります。
そのため、多角的な視点でたくさんある材料から対策になりうるものを探すことが大切です。
営業1課の「営業会議を隔週にする」
一つや二つの対策を考えても、他の要因が影響して改善できないことが多い。
・・・「営業管理システムの登録が大変」で改善しない。
しかし、多角的な視点で探せば、他にも対策はあるのです。
営業2課の「まずは訪問を増やすためにできることを洗い出そう」
・・・「営業会議の時間」(会議の視点)
・・・「企画部への確認方法」(社内調整や連携の視点)
・・・「アポイントの取り方」(営業方法の視点)
複数の対策を考えておけば、一つや二つが無理または効果がなくても、改善できる可能性が高くなります。
②.実現性の強化
たくさん対策を考えたら一つひとつに対して、どうしたらできるのか?本当にできるのか?を繰り返し実現性を高めましょう。
行動することや徹底することが難しい営業の対策は、どうしたらできるのか?本当にできるのか?を考えなければ実行できません。
営業2課の「一人ひとりの報告を短くする」
どうしたら?・・・「他の人の営業管理システムのチェックと案件状況をチャットで共有」
本当にできる?・・・「外出が多いし忙しいから忘れそう」
どうしたら?・・・「マネージャーが営業会議の前日にチャットで確認の連絡を入れる」
営業1課の「次回から一人5分で報告するようにしよう」
どうしたら5分にできるのか?本当に5分にできるのか?を考えなければ実行できません。
③.目標との比較
対策の実現性を高めたら目標や計画を達成できるか考えましょう。
営業は売上などの目標を達成するための仕事です。
対策を考えた後で、何が、どのぐらい改善するかを明確にし、目標や計画と比較し達成できるかを考えることが必要です。
営業2課の「トータルでどのくらい訪問する時間を増やせる?」
何が、どのぐらい改善する?・・・「週に3時間ぐらい」「週に1件増やせるぐらい」
目標や計画と比較すると?・・・「計画を考えるとあと週に1件ぐらい増やさないと」
そして、目標を達成できなければ、また①の多角的な模索で対策を探す。
「セミナーやDM」
営業の対策は、①.多角的な模索→②.実現性の強化→③.目標との比較・・・目標を達成できなければ、また①.多角的な模索→②.実現性の強化→③.目標との比較・・・このサイクルで考えるのです。
適切な対策を考えられず苦労している営業会議や指導が多く見受けられます。
一部の視点(ひとつのこと)しか考えず、適切な対策を考えられない。
対策を考えても、どうしたらできるのか?本当にできるのか?という追求なく、実行できない。
目標や計画を考えずに先が見えないまま、やみくもに行動し、場当たり的に営業している。
その結果、改善せず、毎回、毎月、同じ問題について話し合っている・・・。
みなさんの営業会議や指導はいかがでしょうか?
仕事に追われ忙しい中で、営業における対策策定のプロセスを考え、徹底することは大変なだと思います。
しかし、ひとつ改善できると、次の問題の解決に移ることができます。その結果、営業の精度が上がり、目標達成に近づいていくのです。
営業の対策は、①.多角的な模索→②.実現性の強化→③.目標との比較のサイクルで考えましょう。
いつまでたっても改善せず、毎回、毎月、同じ問題について話し合っている営業会議とどちらが良いでしょうか?
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