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視野を広げて思考力を強化する

営業の仮説、課題、対策、企画はラテラルシンキング(水平思考)で考える

2025年2月15日

今日の営業では様々なことを考えなければならない。

お客さんの課題や提案、営業方法、交渉方法、営業計画の対策、マネジメントや部下の指導、・・・。

 

しかし、

お客さんの状況やタイプ、商品の価格や機能、営業の計画や戦略、社内の協力、仕事量や環境・・・様々なことが影響する営業では適切な解や方法を見つけることが難しい。

 

 

人材紹介会社の営業担当Aさんが担当しているセント食品の課題を考えようとセント食品のホームページやIR資料、インターネット検索で市場環境と経営課題を調べました。

 

市場環境

・生活スタイルの変化により高齢者や女性までインスタント食品の顧客層が広がっている。

・消費者の食に関する健康志向が高まっている。

 

経営課題①(全社的経営課題)

健康をテーマにした商品ラインナップを拡充し、若者から高齢者、男性、女性と消費者の需要を総合的にカバーしシェアを拡大。

 

経営課題②(機能別経営課題)

健康をテーマにした商品の販売を強化するために、ドラッグストアの販路を拡大する。

そして、販路拡大を進めるために営業の提案力を強化する。

 

Aさんは、調べた経営課題からセント食品の採用課題を考えました。

「販路拡大には提案力が重要になるんだろうな」

「そうすると、提案営業の経験者の採用が必要になっているだろう」

 

 

そして、セント食品を訪問し考えた課題について話してみました。

 

Aさん

「健康をテーマにした商品ラインナップを拡充し、ドラッグストアの販路拡大を進めていると思うのですが」

「そうすると、販路拡大の提案力を強化するために、提案営業の経験者の採用が必要と考えたのですが」

 

すると、セント食品の採用担当者は

「もう10年以上前から異業種で提案営業経験がある人の採用は進めているんです」

「今までのスーパーマーケットへの営業も提案力は必要なので」

 

Aさん

「そうなんですか・・・」

 

 

会社に戻ると、上司から

「提案営業の経験者の採用以外に課題を考えられなかったの?」

 

Aさん

「だって、セント食品のホームページを見たら経営課題に「営業の提案力を強化する」って書いてあったんです」

「営業社員に対する提案力の教育か、提案営業の経験者の採用しか考えられないじゃないですか」

 

 

同じ頃に、競合の人材紹介会社HRリーディングの営業担当Bさんもセント食品の課題を考えて訪問していました。

 

Bさん

「健康をテーマにした商品ラインナップを拡充し、ドラッグストアの販路拡大を進めていると思うのですが」

「そうすると、販路拡大の提案力を強化するために、ドラッグストアの来店者層や競合店の情報を収集して分析する体制の強化が必要と考えたのですが」

 

すると、セント食品の採用担当者は

「そうなんです、今までは既存取引先中心の営業だったので、取引のない販路への提案に必要な情報の収集と分析が弱いんです」

「だから、マーケティングやデータ分析経験がある人材を採用しようと思っているんです」

 

Bさん

「やはりそうだったんですか、当社ではマーケティングやデータ分析経験がある人材の登録も多いので、よろしければ御社に合う人材を探してご紹介しますが」

 

セント食品の採用担当者は

「ぜひ、お願いします」

 

Bさんは人材紹介の注文をもらうことができました。

 

 

AさんもBさんも、同じ市場環境や経営課題から課題を考えました。

「健康をテーマにした商品ラインナップを拡充し、ドラッグストアの販路を拡大」

「販路拡大を進めるための営業の提案力を強化」

 

しかし、

Aさんは「提案営業の経験者の採用が必要」以外の課題を考えられなかった。

Bさんは「情報を収集して分析する体制の強化が必要」という課題を考えられた。

 

なぜ、この差が生まれたのでしょうか?

AさんとBさんが考えたことを比べてみましょう。

 

 

まず、Bさんが考えたこと。

Bさんは以下の順番で課題を考えていきました。

 

経営課題の情報を収集。

「販路拡大を進めるために営業の提案力を強化」

 

そして、販路拡大の提案ってどんな内容だろう?

→ドラッグストアで売れる商品を提案しようとするだろう。

→そのためには、来店者層や競合店の情報を収集して提案しようとしているはず。

 

今までのスーパーマーケットへの提案と何が違うんだろう?

→スーパーマーケットはすでに取引しているので商品別の売上や来店者の情報があるけど、販路拡大の場合は取引がないから商品別の売上や来店者の情報はないよな。

→そうすると、提案するために必要な情報の収集方法も違うし、分析方法も違うかもしれない。

 

あと、セント食品の営業ってどんな人だろう?

→スーパーマーケットの営業をやってきた人が販路拡大も担当しているんだろう。

→そうすると、商品紹介や御用聞きばかりでなく、売れ筋とか差別化の提案はすでにやっているだろう。

 

営業の人ってどんな仕事をしているんだろう?

→ドラッグストア本部の仕入れ担当者に新商品を提案しているだろう。

→新商品を提案していると、類似商品の売れ行きも把握して提案しているんじゃないか。

→そうすると本部以外にもドラッグストアの店舗も回っていて毎日忙しそう。

 

そして、Bさんが考えたことは

・今までと異なる情報収集力や分析力が必要。

・提案営業はすでにやっている。

・営業の人が情報を収集して分析する時間はない。

 

この3つからBさんが考えた課題は、

「提案営業の経験者を採用して強化するっていうことじゃない」

「情報を収集して分析する体制の強化が必要」

 

Bさんは経営課題に対して様々な角度から考えていました。

 

経営課題「販路拡大を進めるために営業の提案力を強化」

 ↓

・「提案ってどんな内容だろう?」・・・提案内容という角度(視点)

・「スーパーマーケットへの提案と何が違うんだろう?」・・・今までとの違いという角度(視点)

・「営業ってどんな人だろう?」・・・人という角度(視点)

・「どんな仕事をしているんだろう?」・・・仕事内容という角度(視点)

 

では、Aさんはどのように考えたのでしょうか?

 

Aさんは「販路拡大を進めるために営業の提案力を強化」という経営課題に対して・・・

 

営業の提案力の強化って?

→「提案営業ができる人を増やさないといけない」

→「提案営業の経験者の採用が必要」または「営業社員に対する提案力の教育が必要」

うちの会社は人材紹介会社だから「営業社員に対する提案力の教育が必要」は関係ない。

 

Aさんは経営課題に対して「提案営業ができる人を増やさないといけない」という「人の角度(視点)」だけで考えていました。

「提案内容」や「今までとの違い」「仕事内容」という角度(視点)で考えずに・・・。

 

 

営業は、様々なことが影響する仕事であり、様々な視点が必要な仕事。

 

お客さんの課題は、様々なことが影響して生まれています。

「提案力の強化」という課題も、人の問題だけでなく、情報収集や分析、マネジメントや指導、体制やサポート、仕事量や環境、戦略や計画、・・・。

 

お客さんの課題以外に、営業方法、交渉方法、営業計画の対策、マネジメントや部下の指導、・・・

営業で考えなくてはいけないことのほとんどは様々なことに影響されています。

「営業方法」も、営業方法だけでなく、お客さんの状況、スキルやマインド、商品の強みや特徴、営業計画や進捗、・・・。

 

様々なことが影響する営業は、ひとつの角度(視点)だけで考えようとすると視野が狭くなり考えられなくなります。

 

 

営業には、ラテラルシンキングとロジカルシンキングの組み合わせが大切。

 

ラテラルシンキングとは水平思考。

・・・ひとつの情報を様々な角度(様々な視点)で考えること。

 

ロジカルシンキングは垂直思考。

・・・ひとつの情報を深掘りして考えること。

 

ラテラルシンキングにより様々な角度(様々な視点)から広げる。

提案内容の視点、今までとの違いの視点、人の視点、仕事内容の視点、・・・。

 

そして広げた一つひとつに対してロジカルシンキングで深掘りしていく。

仕事内容→仕入れ担当者に新商品を提案→類似商品の売れ行きも把握→本部以外に店舗も回っていて忙しい、・・・。

 

 

様々な視点で考えるというラテラルシンキングが必要というものの・・・

 

人の視点というものは普段の生活や仕事の中で偏り、固まってしまいます。

様々な視点で考えるというのは難しいことなのです。

 

例えば、

 

人材紹介会社で長く働いていると人材や採用のことばかり考えて仕事をするようになる。

そうすると、人材や採用のことばかり考える視点になり、食品メーカーの提案内容や商品の視点で考えなくなってしまう。

 

ターゲットを変えたら売上が上がったのでターゲットのことをいつも気にするようになる。

そうすると、ターゲットのことばかり考える視点になり、営業方法やパンフレットの視点で考えなくなってしまう。

 

様々な視点で考えられない、視野が狭いということが、課題や対策、営業方法について考えられなくなる大きな原因です。

 

 

様々な視点で考える方法(ラテラルシンキングを促進する方法)

 

様々な視点で考えるためには、様々な視点で考えるための基準を見つけましょう。

この視点で考えよう、あの視点で考えよう・・・という視点の基準になるものを見つけるのです。

 

この視点の基準になるものは、考えること(情報)を構成する要因から見つけることができます。

 

たとえば、

「販路拡大を進めるために営業の提案力を強化」

 

この情報を構成する要因は、

「販路拡大」という言葉から「販路」や「拡大」という要因(=視点)

「営業の提案」という言葉から「提案内容」と「提案する人」という要因(=視点)

「強化」という言葉から「今までと異なる」「今までよりも」という要因(=視点)

 

そして、それぞれの要因(=視点)をロジカルシンキングで深掘りし落とし込んでいくのです。

「提案内容ってどんな?」→「来店者層や競合店の情報を収集して提案」

 

様々な視点で考えるためには構成する要因をたくさん考えましょう。

「仕事内容、人・体制、連携、・・・」「量、手段、資料、・・・」「話し方、内容、環境、・・・」「予算、決裁者、・・・」「目標、時期・期間、方法、・・・」

そして、考えたたくさんの要因に対し、深掘りし落とし込んでいってください。

 

 

営業では、一つひとつの仕事に、そして一つひとつの考えなくてはならないことに様々なことが影響します。

様々なことが影響する営業には、様々な視点で考えるラテラルシンキングが必要です。

 

営業活動で、課題や対策、営業方法を考えるときは構成する要因をたくさん考えましょう。

 

構成する要因をたくさん考えていると、様々な視点で考えるラテラルシンキングが鍛えられます。

すると、様々な視点、幅広い視野で営業を考える力が身についていきます。





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