部門間の協力を促進する
目的を考えると協力が生まれる、役割を考えると軋轢が生まれる
2025年10月15日
今日の変化の速い環境では会社の戦略や改革は大切。
戦略や改革が進まず会社が変わらないと乗り遅れる、ついていけなくなる。
そして、会社の様々な戦略や改革では部門単独で進められることは少なく、他の部門との協力が不可欠です。
特に、様々な部門との関りの中で仕事をする営業部では欠かすことができません。
・新商品の営業に対する、技術部の商品改良やお客さんの要望対応
・新規開拓営業に対する、販売促進部の協力
・営業組織の強化や営業教育に対する、人事部の協力
・ ・・・・・
しかし、なかなか協力してもらえない。
技術部が対応してくれない、販売促進部や人事部が協力してくれない、経営陣が理解してくれない、・・・。
多くの会社の営業部が悩んでいることです。
みなさんの会社はいかがでしょうか?
広告会社のセントプロモーションでは変化する市場環境に対応していくために中期計画を作成しました。
セントプロモーションの市場環境
「ノーコードのホームページ制作ソフトが増えているので、3年後は誰でもホームページを作れるようになる」
「現在の中小企業向けのホームページ制作ビジネスばかりでは3年後の売上が厳しくなる」
セントプロモーションの方針
数社で実績のある問い合わせ顧客を管理する「リード管理サービス」を拡大して・・・
「3年後に向けて、中小企業向けホームページ制作から脱却し、大手企業向けのCRMビジネスを拡大していく」
そして、会社の方針に対し営業部のミッションは、
「新規開拓営業を進め大手企業の取引先を獲得する」
WEB制作を担当している企画部のミッションは、
「CRMサービスの開発力と提案力を強化する」
営業部も企画部も自分たちのミッションを実現しようと計画を策定し、新たな期がスタートしました。
営業部では、新規開拓営業を進めるために、
・業界別の大手企業ターゲットリストに対し営業担当者がテレアポ。
・展示会に出展し来場者にアプローチ。
・見込み案件を獲得したら企画部に同行してもらい提案。
そして、半年後の進捗、
30件も新規のお客さんに訪問したのに見込み案件が1件だけ。
マネージャーに理由を聞いてみると、
・リード管理サービスはほとんどの大手企業がすでに導入している。
・大手企業に訪問してニーズを聞くとAIを求めてくることが多い。
・企画部に相談してもAIの経験がないから無理といって協力してくれない。
営業部長Aさんは、企画部長Bさんに相談することにしました。
(営業部長-企画部長ミーティング)
営業部長Aさん
「企画部でAIに取り組んでくれませんか?」
「30件も訪問したけど大手企業のほとんどがAIを求めていて・・・」
企画部長Bさん
「AIは無理ですよ」
「それに、リード管理サービスの案件をとってくるのが営業部の仕事でしょう」
Aさん
「リード管理サービスはほとんどの大手企業がすでに導入しているし、大手企業を獲得するためには、AIの取り組みが必要なんですよ」
Bさん
「うちは5人しかいないから無理ですよ」
「それに、うちの会社はAIの経験がないし、いきなり取り組めって言われても難しいですよ」
Aさん
「CRMサービスの開発は企画部の仕事でしょう」
Bさん
「うーん・・・」
「そうしたら、営業部でお客さんを訪問しながら業界別のニーズを収集してもらえないですか?」
Aさん
「業界別のニーズを収集するって?」
Bさん
「業界別にお客さんがAIに何を求めているかと か、AIに取り組むなら業界別のニーズがわからないと」
「それに、業界別のニーズはCRMサービスの提案力強化にも必要なので」
Aさん
「CRMサービスの提案力強化は企画部の仕事でしょう」
「営業部は大手企業への新規開拓営業で余裕がないですよ」
結局、
Aさんは、AIの取り組みに関して企画部に協力してもらえませんでした。
Bさんは、業界別ニーズの収集に関して営業部に協力してもらえませんでした。
1年後、セントプロモーションでは、
営業部では、AIに対応できず、大手企業の獲得が進みませんでした。
技術部では、業界別のニーズがわからず、CRMサービスの提案力強化が進みませんでした。
その結果、セントプロモーションでは中小企業向けのホームページ制作ばかり・・・。
営業部が大手企業を獲得するために、企画部が協力してAIに取り組む。
企画部がCRMサービスの提案力を強化するために、営業部が協力して業界別のニーズを収集する。
なぜ、協力してくれないのでしょうか?
両方とも必要なことなのに・・・。
みなさんも営業部長- 企画部長ミーティングの会話から何が良くないのか考えてみてください。
期が変わり、見かねた事業部長Cさんが、Aさん、Bさんとミーティングしました。
(事業部長ミーティング)
事業部長Cさん
「2人とも自分のミッションばかり考えていませんか?」
「一番大切なことは「大手企業向けのCRMビジネスを拡大していく」という会社の方針です」
Aさん、Bさん
「・・・・・」
Cさん
「営業部のミッションの「大手企業の獲得」も、企画部の「CRMサービスの提案力強化」も、会社の方針を実現するためのものです」
「それぞれのミッションは一度忘れて、どうしたら会社の方針を実現できるのか考えよう」
「Aさんは、会社の方針に対して何が課題だと思う?」
Aさん
「やはり、大手企業向けのCRMビジネスを拡大するためには、AIに取り組む必要があると思うんです」
Cさん
「なるほどな」
「Bさんは、何が課題だと思う?」
Bさん
「業界別のニーズを収集しないと、CRMサービス の提案を強化できませんよ」
「このままだとコンペで負けてCRMビジネスを拡大できなくなります」
Cさん
「AIに対する取り組みと業界別ニーズの収集か、この2つとも会社の方針にとって必要?」
Aさん
「2つとも大手企業向けのCRMのビジネスを拡大していくためには必要だと思います」
Bさん
「2つとも必要です」
Cさん
「そうしたら、まずはAIに対する取り組みから考えよう」
Aさん
「やはり企画部に取り組んでもらわないといけないと」
Cさん
「企画部にって他人事で考えるんじゃなくて、Aさんはどうしたら企画部がAIに取り組めると思う?」
Aさん
「すみません」
「たしかに、うちの企画部には経験もないし、取り組めって言われても難しいかもしれない」
Bさん
「そうなんですよ、ホームページ制作ばかりやってきた企画部にとっては難しいんですよ」
Aさん
「たしかに・・・」
「でも、大手企業向けのCRMビジネスを拡大していくためには無理って言うわけにはいかないんだよな」
「どうしたらAIに取り組めるんだろう?」
Bさん
「そもそも、AI自体よくわかっていないので、AIで何ができるのかを知らないといけない」
Aさん
「でも、うちの会社にはAIに詳しい人がいないからな・・・」
Bさん
「そうなんですよ」
Aさん
「どうしたら・・・、あっ、そういえば私の友人にIT企業でAIを担当している人がいました」
「友人にAIの勉強会をお願いしてみましょうか?」
Bさん
「本当ですか!ありがたい」
「勉強会をやってもらえるなら、企画部全員を参加させたい」
Aさん
「それと、勉強会の後からでいいので、AIのニーズがあるお客さんにはうちの営業と同行してもらえませんか?」
Bさん
「たしかに、営業がお客さんにAIの話をするっていうのは難しいかもしれない」
「それに、CRMビジネスの拡大を考えたら企画部も積極的にお客さんのところに行かないといけないですね」
「でも、企画部は5人しかいないからみんな忙しくて余裕がないんですよね」
Aさん
「人数が少ないから余裕がないっているのもわかるんですけど」
「どうしたら同行してもらえるのかなぁ・・・」
Bさん
「うーん・・・」
「全部は難しいかもしれないですけど、月に3件ぐらいなら同行させられるかも」
Aさん
「3件でも同行してもらえるとあ りがたい」
「いいですか?」
Bさん
「わかりました、CRMビジネスを拡大していくためには企画部も協力しないと」
事業部長ミーティングの結果、
企画部は、営業部に協力してAIに取り組み、営業部と同行することになりました。
その他にも、営業部が企画部に協力して業界別のニーズを収集することも決まりました。
なぜ、事業部長ミーティングでは、協力することになったのでしょうか?
はじめの営業部長-企画部長ミーティングとの違いは?
協力は、自分の役割(ミッション)ではなく、共通の目的(会社の方針)を考えると生まれます。
逆に、共通の目的(会社の方針)を考えずに、自分の役割(ミッション)ばかり考えると軋轢が生まれます。
営業部も企画部も目的は会社の方針である「大手企業向けのCRMビジネスを拡大していく」
目的に対する営業部の役割は「大手企業の取引先を獲得する」
目的に対する企画部の役割は「CRMサービスの提案力を強化する」
営業部長-企画部長ミーティングと事業部長ミーティングには大きな違いがあります。
営業部長-企画部長ミーティングでは、目的(会社の方針)を考えずに、自分 の役割(ミッション)ばかり考えていました。
「大手企業を獲得するためには、AIの取り組みが必要なんです」
「業界別のニーズを収集してもらえないですか?」「CRMサービスの提案力強化にも必要なので」
目的のためではなく、自分の役割のためにお願いしています。
「リード管理サービスの案件をとってくるのが営業部の仕事でしょう」
「CRMサービスの開発は企画部の仕事でしょう」「CRMサービスの提案力強化は企画部の仕事でしょう」
目的のことを考えず、相手の役割としか考えていません。
反対に、事業部長ミーティングでは、自分の役割を考えずに、目的について考えることになりました。

