営業会議のプロセス
課題と対策を話し合う会議とは?
2017年2月15日
ある会社の営業会議のシーン・・・
マネージャー1名と営業担当者5名で営業進捗表と見込案件一覧を見ながら会議をしていました。
営業担当Aさんは目標に対して見込案件が足りない・・・
マ ネージャー
「これじゃ見込案件が足りないだろう。どうするんだ?」
Aさん
「なかなか新規開拓ができなくて」
マネージャー
「先月も言ったけどなんで新規開拓やらないんだ?」
Aさん
「事務処理で忙しくて新規開拓の時間がとれなくて・・・」
マネージャー
「じゃあ、アシスタントに事務処理を任せていいから新規開拓を増やせ」
Aさん
「はい」
マネージャー
「じゃあ、次はBさん」
・・・翌月の営業会議
マネージャー
「これじゃ見込案件が足りないだろう。どうするんだ?」
Aさん
「なかなか新規開拓ができなくて・・・」
あれ?先月と同じ話・・・
そして、他の営業担当者は聞いているだけ・・・
意外とこのような営業会議が多いものです。
ほとんどの会社で毎週、毎月営業会議を行っている・・・そし て、ほとんどの営業会議が
・意見の出ない「傍聴会」
・状況報告と言い訳ばかりの「報告会」
・上司が詰めるばかりの「詰められ会」
・結論や対策のない「堂々巡り会議」
ちょっと、営業会議の時間とコストを計算してみましょう。
週次会議、月次会議を各1時間ずつ行うと1ヶ月の会議時間は5時間。会議資料の作成に1回あたり1時間かかるとすると1ヶ月で5時間、会議時間と合わせると10時間。
1年で120時間(15日分)。
営業担当者5人の平均年収450万円、マネージャーの年収600万円とすると、営業担当者の時給は約2,350円、マネージャーの時給は約3,100円。
すると営業会議のコストは、人件費だけでも1回あたり会議と資料作成時間を合せて29,700円、1ヶ月で148,500円、1年間で1,782,000円。
年間178万円もの費用をかけ、忙しいと言っている営業担当者が15日分の時間を費やす価値があるのだろうか・・・と思うことが多々あります。
~ 営業会議の役割って何? ~
営業マネージャーに聞いてみるとこのような回答が多い・・・
・チーム内で情報を共有しないと
・部下の状況がわからないと上に報 告できない
・部下に指導しないと売上が伸びない
・定期的にチーム全員で集まる機会がないとチームワークが問題
しかし・・・
情報共有のためであれば集まる必要があるのでしょうか?
部下の状況は日々の業務の中で把握していないのでしょうか?
指導が必要であれば個別指導の方が良いのでは?
報告しているだけの会議でチームワークが改善するのでしょうか?
営業会議の根本的な問題は情報の共有、部下の指導の場ととらえていることです。
複数の人が集まる会議 の意義は、複数の人の様々な視点や意見によって最適な結論を導き出すことです。
すると、営業会議は、営業計画(目標)に対して課題と対策を考える場であり、会議に参加している複数の人で議論することにより計画を達成する最適な方法を導き出す場です。
~ 営業会議のプロセスとは? ~
営業計画に対する課題と対策を考え、計画を達成する最適な方法を導き出す営業会議のプロセスは以下の➀から➄です。
➀.組織・個人の目標の確認
➁.進捗状況の共有
➂.問題と課題の検討
➃.対策の検討
➄.対策による計画達成の可否の確認
この➀~➄を参加者全員で議論する場が営業会議です。
営業会議は➀から➄のプロセスで進行する必要があり、報告する営業担当者もこのプロセスで報告しなければなりません。
ということは、営業担当者が作成する会議資料(報告する資料)もこのプロセスに沿っている必要があります。
つまり、会議資料(報告する資料)の順番は、
➀目標、➁進捗状況、➂問題と課題、➃対策、➄修正した計画です。
実は、営業会議が傍聴会、報告会になってしまう原因は会議資料にもあるのです。
事実や状況だけを伝えられても意見は出にくいのですが、悩み(課題)を 言われると意見を言いたくなるものです。
つまり、報告書に「課題(悩み)」という項目があり、課題や悩みが書いてあると、その「課題(悩み)」に対して意見を言いたくなる、言いやすくなり、議論になりやすいのです。
営業進捗表と見込案件一覧表だけでは事実や状況の報告で終わってしまい、課題と対策の議論になりにくいのです。
~ 営業会議の重要性 ~
営業という仕事は、顧客や競合の状況も複雑化で刻々と変わり、また問合せの対応や急にトラブルが発生して対応に追われたりと、日々状況や環境が変わってしまう仕事です。
日々状況や環境が変わるという営業は、計画通りにいかない仕事です。
計画通りに いかないときに重要なことは修正することです。
つまり、計画通りにいかない営業では、常に課題を洗い出しどうしたら計画を達成できるかという対策を考えるというPDCAのCとA(常に検証し修正する)が重要なのです。
営業会議は、そのCとAに対して重要な役割を担っています。
ぜひ一度、みなさんの営業会議を振り返ってみてください。
そして、ためしに営業会議の報告書を変えてみてください。
意外と会議は報告書で変わるものです。
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