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営業戦略を徹底させるマネジメント

経営課題や戦略は聞いただけでは理解しない、自ら考えさせることが大切

2024年8月15日

市場の変化が早い今日、営業も変わらないといけない。


既存顧客や既存事業中心の営業から新規マーケットや新サービスの営業へ

個人主義、場当たり的な営業から組織的、計画的な営業へ

受け身な営業から積極的な提案営業へ


そのため、ほとんどの会社で経営課題や戦略を考え、営業社員に説明し進めています。

しかし、進まない、変わらない・・・。


多くの経営者や営業責任者が悩んでいることです。


なぜ、進まない、変わらないのでしょうか?



設備機器メーカーのセントテクノロジーでは、営業部長Aさんが新規事業を進めていました。


期初のミーティングで営業部長Aさんは・・・


はじめに、経営課題について説明

「当社のお客さんである各メーカーの工場ではIoTや自動化が進んでいます」

「当社は3年間で設備機器の販売会社から通信やソフトウェアを組み合わせてソリューションサービスを提供する会社に変わっていかないといけない」


「そのためには来期までにソリューションサービスのノウハウを蓄積したり、技術力も強化する必要があります」

「だから今期中に実績を作らないといけないんです」


そして、営業部の戦略を説明

「営業部として、今期はソリューションサービスの売上を全体の10%までもっていきます」

「みなさんは設備機器の紹介だけでなく、ソリューションサービスの提案も進めてください」

「具体的には、・・・」


そして、

「何か質問はありますか?」


営業1課マネージャーBさん

「技術部のサポートが必要になりますけど大丈夫ですか?」


営業部長Aさん

「技術部長と話して協力してもらえることになっているから大丈夫」

「提案が入ったら技術部に相談するように」


営業2課マネージャーCさん

「ターゲットはどういう企業がいいですか?」


営業部長Aさん

「ソリューションサービスは案件規模が大きくなるから、規模の大きい企業がいいと思う」

「ただ、業界によって変わると思うので各課でターゲットを決めるように」


営業部長Aさん

「そこで、来月に営業部全員で1泊2日の合宿をやります」

「合宿で課ごとにターゲット顧客と今期の営業計画を作成しもらうのでお願いします」



そして1泊2日の合宿・・・


1日目に各課に分かれて今期の営業計画を作成しました。

・全体の売上目標と計画

・ソリューションサービスのターゲット顧客

・ソリューションサービスの提案目標件数、受注目標件数と営業計画


2日目に各課で作成した営業計画を発表しました。


最後に営業部長Aさんは

「みなさん、2日間お疲れ様でした」

「今期は営業計画を徹底してソリューションサービスの提案を進めてください」



半年が経ち上期が終了すると・・・


営業部長Aさん

「ぜんぜんソリューションサービスの提案をしていないじゃないか」


マネージャーBさん

「既存案件の対応でみんな忙しくて」

「それに、設備機器販売で大型案件も入ってきたので」


営業部長Aさん

「今期はソリューションサービスの実績を作らないといけないって説明したじゃないか、それに営業計画も自分たちで作ったんだろう」


マネージャーBさん

「すみません、下期は提案するよう指導します」



そして1年が経ち期末・・・


結局、ソリューションサービスは1件も売れませんでした。

それどころか提案も営業部全体で2件だけ。



なぜ、ソリューションサービスを提案しなかったのでしょうか?



ある日、社長がマネージャーBさんと話していました。


社長

「なんでソリューションサービスを提案しないの?」


マネージャーBさん

「既存顧客の対応や大型案件が入ったりして時間がなかったんです」

「今期の売上目標を考えたら設備機器販売もおろそかにできないですし」


社長

「みんな、経営課題や戦略の重要性を理解しているのかな」

「なんでソリューションサービスを売らないといけないかわかってる?」


マネージャーBさん

「はい、将来は設備機器販売だけで会社を発展させられないからです」


社長

「将来って何年後?」


マネージャーBさん

「・・・」


社長

「3年後ですよ、3年間で設備機器販売からソリューションを提供する会社に変えないといけないんです」

「じゃあ、なんで3年後のために今期に提案を進めないといけないの?」


マネージャーBさん

「3年後の目標の売上比率10%を達成できなくなるからです」


社長

「いや、売上比率10%は3年後じゃなくて今期の目標だよ」

「来期までにソリューションサービスのノウハウを蓄積したり、技術力も強化する必要があるんです。だから今期中に実績を作らないといけなかったんです」


マネージャーBさん

「そうでした、申し訳ありません」


社長

「営業部長Aさんから聞いていないの?」


マネージャーBさん

「ちゃんと聞いていました」



マネージャーBさんは「ソリューションサービスの提案を進めないといけない」ことは知っていましたが、経営課題や戦略はちゃんと覚えていませんでした。


なぜ、覚えていなかったのでしょうか?

期初のミーティングと合宿のことを振り返ってみてください。


期初のミーティングで、

マネージャーBさんの質問は「技術部のサポートが必要になりますけど大丈夫ですか?」

マネージャーCさんの質問は「ターゲットはどういう企業がいいですか?」


いずれも今期の仕事についての質問です。

ソリューションサービスの提案という今期の仕事を進めるためのサポートとターゲット。


合宿で作成した営業計画は、

・全体の売上目標と計画

・ソリューションサービスのターゲット顧客

・ソリューションサービスの提案目標件数、受注目標件数と営業計画


すべて今期の仕事のことです。


マネージャーも営業担当者も、