営業社員のモチベーション②
モチベーションを下げない対策ばかりで上げる対策がない
2023年3月15日
営業は個人のモチベーションが大きく影響する仕事。
・売上目標を達成したい
・もっとお客さんと仲良くなりたい、関係を作りたい
・新サービスを受注し新規事業を拡大したいという
・提案営業や課題解決型営業など新たな営業にチャレンジしたい
・ ・・・・・・
しかし、現実は、
・仕事がつらい、しんどい
・お客さんに無理難題を言われて大変
・誰もサポートしてくれない
・商品を紹介して売るばかりでやりがいがない
・うちの会社じゃ成長できない
不満ばかりでモチベーションが上がらない、結局辞めてしまう。
ある会社の営業部長Aさんが悩ん でいました。
営業社員の退職が多い、このままだとまずい。
新商品の提案を進めないといけないけど営業社員が積極的に取り組まない。
営業社員のモチベーションを上げるための対策が必要だ!
そこで、営業部長Aさんは営業社員一人ひとりにヒアリングしてみました。
すると営業社員は、
「営業は残業が多い、忙しすぎる」
「新規開拓をやれって言うけど、戦略やミッションが曖昧」
「新商品を売れって言われても技術部がサポートしてくれない」
「新商品を売れって言うけど上司が指導してくれない」
次にマネージャーにヒアリングしてみると、
「残業が多いって言うけど、営業社員が足りないからしょうがないじゃないですか」
「戦略やミッションが曖昧って言うけど、新規開拓をやったことがないから考えられない、やりながら考えるしかないですよ」
「技術部も忙しいからサポートしきれないと思いますよ」
「指導してくれないって言うけど、自分でも営業していて会社にいないからできないですよ」
「それなりには指導してますよ。だけどちゃんと聞いてくれないし、厳しく言うとパワハラになるし辞めちゃうじゃないですか」
営業部長Aさんが考えた対策は・・・
①.もう少し仕事の量を減らさないといけない。
営業社員の人数を増やせないから一人ひとりの売上目標や担当顧客数は変えられないから・・・
・会議を減らすため、毎週の営業会議はやめよう。
・事務作業の負担軽減のため、外出中に商談の議事録を作れるようモバイルを配布しよう。
・週に2日はテレワークにしてあげよう。
②.技術部のサポートを改善しないといけない。
・技術部の中に営業サポートチームを作ってもらおう。
③.マネージャーと営業社員の関係を改善しないといけない。
・営業部の懇親会を3か月に1回 開催しよう、そのため年4回分の経費を確保。
・マネージャーと営業社員が頻繁にコミュニケーションをとれるようチャットを導入。
④.戦略や営業社員個人のミッションを明確にしないといけない。
・戦略会議を開催し、部長とマネージャー全員で営業部とチームの戦略を明確にしよう。
・そして営業社員への説明会を開き、個人のミッションを指示しよう。
・営業会議を削減
・モバイルで事務作業の負担を軽減
・週に2日はテレワーク
・技術部に営業サポートチームを設置
・3か月に1回、営業部で懇親会
・チャットで指導や相談を促進
・戦略会議で営業部とチームの戦略を明確化
・説明会で営業社員個人のミッションを明確に指示
これだけやれば営業社員のモチベーションも上がるだろう・・・
そして1年後、
営業社員の退職は少し減ったけれどなくならない。
相変わらず新商品の提案を積極的に取り組まない。
なぜ、営業社員の退職がなくならないのでしょうか?
なぜ、新商品の提案を積極的に取り組まないのでしょうか?
営業部長Aさんの対策を見て考えてみてください。
昔は、もっと残業が多かったし、売上目標や結果ばかりで指導も少なかったし、携帯電話がなかったから指導や相談もちゃんとできなかったのに・・・
「昔の営業社員と今の営業社員は違うから」
だから今の営業社員に合わせてモチベーションの対策を考えないといけないと思っている人事部や営業責任者も多いのではないでしょうか?
そもそもモチベーションを上げる要因とはどのようなものでしょうか?
残業が少なくなればモチベーションは上がるのでしょうか?
テレワークを導入すればモチベーションは上がるのでしょうか?
上司との関係が改善すればモチベーションは上がるのでしょうか?
技術部のサポートが受けやすくなればモチベーションは上がるのでしょうか?
戦略を明確にして営業社員にミッションを指示すればモチベーションは上がるのでしょうか?
「モチベーションの15の要因」
営業社員のモチベーションを下げるマイナスの要因とモチベーションを上げるプラスの要因があります。
マイナスの要因(モチベーションを下げる要因)
・不安や不信
・健康
・環境や設備面の働きやすさ
・仕事量や労働時間
・目標やミッション、仕事の曖昧さ
プラスの要因(モチベーションを上げる要因)
・夢や自己実現
・成長の実感
・成果や価値の実感
・変化や刺激
・自由度
プラス・マイ ナスの双方に影響する要因
・仕事内容
・役割・責任
・評価
・給与・待遇
・帰属意識や人間関係
仕事量や労働時間は多すぎるとモチベーションを下げてしまいます。
仕事量や労働時間の削減はモチベーションの低下を抑えられますが、モチベーションを上げるものではありません。
また、長い時間の満員電車での通勤を減らしテレワークにすることは、ストレスを減らしモチベーションを下げないことはできますが、モチベーションを上げることはできません。
対して、成長の実感や刺激はモチベーションを上げることができます。
今までできなかったことができるようになるという成長の実感はモチベーションを上げることができます。
また、毎日、毎日、同じ顔触れの仲間と、同じようなお客さんに、同じような商品やサービスを提案し、同じような会議、同じような指導を受けながら仕事をしている・・・
担当のお客さんが変わっても、会議の議題が変わっても、所詮、同じ会社で同じ事業やサービスの営業に携わっている限り新鮮味は乏しくなります。
セミナーやイベントに参加し普段聞かない新鮮な話を聞いたり、あまり接点のない異業種の人と関わり刺激を受けると気持ちがポジティブになりモチベーションも上がりやすくなります。
営業部長Aさんの対策は、
モチベーションを上げるためのプラス要因の対策でしょうか?
下げないためのマイナス要因の対策でしょうか?
「営業会議を削減」「モバイルで事務作業の負担を軽減」=仕事量や労働時間の対策
「週に2日はテレワーク」「技術部に営業サポートチームを設置」「チャットで指導や相談を促進」=環境や設備面の働きやすさの対策
「営業部とチームの戦略を明確」「営業社員個人のミッションを明確に指示」=目標やミッション、仕事の曖昧さの対策
すべてモチベーションのマイナス要因の対策です。
唯一「3か月に1回、営業部で懇親会」だけはプラス・マイナス双方の要因の対策。
=帰属意識や人間関係
マイナス要因であるモチベーションを下げないための対策ばかりで、モチベーションを上げるための対策がほとんどありません。
そのため、モチベーションが上がっていないので、退職者は少し減ったけれどなくならないし、新商品の提案を積極的に取り組まないのです。
みなさんの会社の対策はいかがでしょうか?
ワークライフバランスの推進、社員のストレスや健康対策、パワハラなどコンプライアンス対策・・・いずれも大切なことです。
そして、営業計画やプロセスの管理も必要なことです。
しかし、そ の結果、多くの会社でマイナス要因の対策ばかりと偏ってしまっています。
「キャリアプランで将来を考えさせています」という人もいるかと思いますが、実態はほとんど形骸化・・・
「昔の営業社員と今の営業社員は違うから」という人もいますが、昔の営業社員も今の営業社員も変わらず、
・人に指示されるより自分で考えて仕事をするとやりがいを感じる。
・普段聞かない話や触れない人と関わり刺激を受けるとポジティブになる。
・自分の仕事の成果や価値を実感するともっと頑張ろうという気持ちになる。
・できなかったことができるようになる、成長を実感するとうれしくなる。
・夢がある、夢に向かって近づいていることを実感すると前向きになる。
昔の営業は、
・個人主義が強く、自由度の高い仕事でした。
・人間関係や人脈の意識が高く、様々な人との交流を大切にしていました。
・結果主義が強く、売上目標に対し単純に成果を実感していました。
・上司や先輩との関係が強く、怒られることもありましたが、成長を実感できる話もしてもらいました。
・昇進や昇給など会社や仕事の中で夢や憧れ、目標を持ちやすい環境でした。
今の営業はいかがでしょうか?
環境の変化により、夢を持ちにくく、成長を実感しにくい、また、成果や価値を実感しにくく、変化や刺激も少ない、そし て、各種管理が進み自由度も低くなってしまっています。
モチベーションが上がりにくい環境・・・
モチベーションの要因は昔の営業社員も今の営業社員も変わらない。
変わってしまったのは営業社員ではなく、営業社員が働く環境や営業部です。
営業を発展させるため、売上や成果を上げるためには営業社員のモチベーションは大切です。
みなさんの会社ではモチベーションのプラス要因の対策に取り組んでいますか?
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