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コミュニケーション感性のISPAサイクル

想像、選択、推察、修正の4つのサイクルで感性を鍛える

2026年10月15日

営業はほとんどがコミュニケーションで成り立つ仕事。

商談、提案、交渉、・・・・

コミュニケーション力が高ければスムーズに進められ、低ければ苦労する仕事。

 

このコミュニケーション力には論理性と感性の両方が必要です。

 

しかし、論理性は指導や準備で対応できるけど感性は鍛えられない・・・

とあきらめている人が多い。

 

お客さんの考えや気持ちを察して説明する。

お客さんの反応や表情を感じて質問する。

お客さんの感情を考えながら会話する。

 

いくら、正しいことを伝えても、

いくら、的確なアドバイスや提案をしても、

いくら、論理的に説明しても、

コミュニケーションの感性により理解されない、受け入れてもらえない。

 

営業にとってコミュニケーションの感性は大切です。

 

では、コミュニケーションの感性ってどうやって身につけるのでしょうか?

 

 

ある日、WEB制作会社の営業担当Aさんに食品メーカーのセント食品から電話がかかってきました。

 

 

Aさんはセント食品から新商品のWEBサイトの制作を依頼されていました。

かかってきた電話はWEBサイト制作の進捗確認の電話です。

 

セント食品の担当者

「今月末までに納品するって言っていたけど大丈夫なんですか?」

「あと、1週間ですけど・・・」

 

営業担当Aさん

「問題なく納品できると思います」

 

セント食品の担当者

「1か月前のお打ち合わせから何も連絡がないので心配になってお電話したんですが・・・」

「なんで連絡してくれないんですか?」

 

Aさん

「いや、順調に進んでいるので問題ないと思っていて・・・」

 

セント食品の担当者

「問題ないって・・・」

「来月に新商品をリリースするし、展示会にも出展するから、万が一間に合わなかったら大問題になりますよ」

 

Aさん

「先週末に制作部に確認したら、今週中には完成するって言っていたので大丈夫です」

 

セント食品の担当者

「社内で確認したんだったらちゃんと報告してくださいよ、こっちだって心配しているんですよ」

 

Aさん

「すみません」

 

 

Aさんはセント食品の担当者に怒られてしまいました。

 

そして、上司のBさんに報告・・・

 

Aさん

「ちゃんと報告してくださいって怒られちゃったんですけど・・・」

「報告するって約束していたわけじゃないし、今月末の納品に向けて順調に進んでいるだから問題ないじゃないですか」

 

するとBさんは

「お客さんは、ちゃんとできているのか、納期に間に合うのかって心配なんだよ」

「だから、定期的に進捗を報告しないといけないよ」

 

Aさん

「でも、怒ることないじゃないですか」

 

Bさん

「お客さんの立場だったら心配になるよ」

「次回からは約束してなくても定期的に報告するようにね」

 

Aさん

「・・・、わかりました」

 

 

その翌日、

来月末までにWEBサイトを納品する予定のリーディング自動車に電話していました。

上司のBさんの指導にしたがって定期的に進捗を報告しようと・・・

 

営業担当Aさん

「前回のお打ち合わせから2週間経ちましたので進捗報告でお電話したのですが・・・」

 

リーディング自動車の担当者

「進捗報告って?」

 

Aさん

「順調に進んでいますので、来月末までには納品できると思います」

 

リーディング自動車の担当者

「来月末までに納品できるってデザインは大丈夫なの?」

 

Aさん

「前回のお打ち合わせどおり、今月末にお見せできるように進めているので大丈夫です」

 

リーディング自動車の担当者

「いや、前回の打ち合わせで当社の要望とずれていて作り直しになったでしょ?」

「うちの部長も怒っていたじゃないですか、ぜんぜん違うって言って」

「呑気に進捗報告している場合じゃなくて、デザインはどうなっているんですか?」

 

Aさん

「すみません」

「ただ、デザインは今月末のお打ち合わせまでに修正してお見せすることになっていると思うんですが・・・」

 

リーディング自動車の担当者

「いや、スケジュールのことを言っているんじゃなくて、デザインがうちの要望どおりにできているか心配しているんです」

「もし、今月末の打ち合わせで、再度作り直しっていうことになったら間に合わないんじゃないの?」

 

Aさん

「・・・・・」

 

リーディング自動車の担当者

「再来月に新商品をリリースするので来月末にできあがってなかったら困るんですよ」

 

Aさん

「すみません、すぐに確認します」

 

 

今度はリーディング自動車の担当者に怒られてしまいました。

 

ちゃんと打ち合わせどおりに進めているのに・・・。

上司Bさんの指導にしたがってちゃんと定期的に進捗を報告しようとしたのに・・・。

 

 

なぜ、Aさんは怒られてしまうのでしょうか?

 

 

Aさんの先輩営業担当Cさんがポータル商事に進捗を報告していました。

Cさんはいつもお客さんから信頼されて、ほとんど怒られない・・・。

 

営業担当Cさん

「先日の打ち合わせではデザインがずれていてすみませんでした」

 

ポータル商事の担当者

「その後の進捗はいかがですか?」

 

Cさん

「あの後で制作部と打ち合わせをして、御社の要望とのずれを確認して進めています」

「今月末のお打ち合わせでは微修正で済むと思います」

 

ポータル商事の担当者

「そうですか、大丈夫ですか?」

 

Cさん

「前回のお打ち合わせでご要望について詳しく説明いただいたので大丈夫だと思います」

「部長さんがデザインにこだわりがあるようですので、次回のお打ち合わせでも修正の指示が入ると思いますが、来月中旬までには修正できると思います」

 

ポータル商事の担当者

「うちの部長は細かいから大変だと思いますけど、お願いしますね」

 

Cさん

「わかりました」

「デザイン以外のシステム構築も並行して進めていますので、再来月の新商品リリースには問題なく間に合うと思います」

 

 

先輩の営業担当Cさんは、まったく怒られずにスムーズに進捗報告が進みました。

営業担当Aさんと何が違うのでしょうか?

 

 

Aさんとリーディング自動車の担当者の間で決めていたことは、

・デザインが要望とずれていたので今月末までに修正する。

・今月末の打ち合わせでデザインについて確認する。

・今月末にデザインを確認して来月末までに納品する。

 

そして、上司Bさんから指導されたことは、

・お客さんには定期的に進捗を報告する。

 

Aさんは、決めていたこと、指導されたことをきちんと守ろうとしていました。

 

そのため、Aさんの報告は、

はじめに「進捗報告でお電話したのですが」

そして「順調に進んでいますので、来月末までには納品できると思います」

さらに「デザインは今月末までに修正してお見せすることになっている」

 

しかし、お客さんは

・前回の打ち合わせでデザインが要望とずれていて不信に思っている、大丈夫か心配している。

・上司である部長がデザインのこだわりが強く怒っていた。

・部長がまた怒るとデザインが固まらず間に合わなくなるかもしれないと不安。

・新商品をリリースする日が決まっているので、WEBサイトが間に合わないと問題になる。

 

みなさんがお客さんだったらAさんの報告に対してどのように思いますか?

 

・デザインについて心配していることをわかっているのだろうか?

・前回の打ち合わせでデザインがずれていたことを真剣に考えているのだろうか?

・今月末の打ち合わせでもデザインがずれていて部長が怒るのではないだろうか?

・最終的に来月末の納品が間に合わなくなるのでは?

・・・そして、この会社に任せて大丈夫なのだろうか?

 

 

Cさんの報告は・・・

 

同じ状況のお客さんに対してCさんは、

はじめに「先日の打ち合わせではデザインがずれていてすみませんでした」

お客さんの不信や心配はわかっている、デザインのずれについて真剣に考えているという印象を与えました。

 

そして、「大丈夫ですか?」というお客さんの言葉から思っていたよりも不安が強いことを察し、

「ご要望について詳しく説明いただいたので大丈夫」と安心させるとともに・・・

「部長さんがデザインにこだわりがある」「次回のお打ち合わせでも修正の指示が入る」とお客さんの状況を理解しているという印象を与えながら・・・

そして、「来月中旬までに修正できる」と安心させました。

 

 

AさんとCさんの違いは、お客さんを想像しているか否か。

 

Aさんは、決められたこと、指導や指示されたこと、伝えないといけないことを単に伝えているだけ。

進捗を報告しないといけない、今月末にデザインの打ち合わせがある、再来月までに納品しないといけない・・・。

 

Cさんは、決められたこと、指導や指示されたこと、伝えないといけないことに対し、相手の状況や気持ちを想像し、何を、どのように伝えたら受け入れてもらえるかをあらかじめ考えているのです。

 

 

お客さんに、理解してもらうため、受け入れてもらうため、コミュニケーションを円滑に進めるためには、決められたこと、指導や指示されたこと、伝えないといけないことをただ伝えるだけでなく、お客さんの状況や気持ちを感じて、その状況や気持ちに合わせて伝えるという感性が必要です。

 

では、感性ってどうやって鍛える?身につける?

 

感性は、一過性ではなく、長い間の環境や経験によって身につくものです。

継続的な環境や経験で”感じること、刺激を受けること“により鍛えられ、身につくものです。

 

相手の状況や気持ちを感じ、その状況や気持ちに合わせるというコミュニケーションの感性は、繰り返し相手の状況や気持ちを感じること、刺激を受けることにより鍛えられ、身につくのです。

 

コミュニケーションの感性を鍛えるISPA(イスパ)サイクル

Imagine(想像)→Select(選択)→Perceive(推察)→Adjust(修正)

 

1.Imagine(想像):相手が状況や気持ちを想像する

2.Select(選択):内容、手段、表現、タイミングとシーンを選択する

3.Perceive(推察):選択した行動や発言に対する反応(言葉や表情)から裏側にある心理を推察する

4.Adjust(修正):裏側にある心理に対し、選択を修正する

 

コミュニケーションの感性はISPAサイクルを継続し、数多く経験することで鍛えることができます。

 

営業担当Cさんは、

 

1.Imagine(想像)

進捗報告について電話する前に、お客さんの状況や気持ちを想像していました。

・デザインが要望とずれていて不信に思っている、大丈夫か心配している。

・また部長が怒るとデザインが固まらず納期に間に合わなくなるかもしれないと不安。

 

2.Select(選択)

そして、想像したお客さんの状況や気持ちに対して、伝える内容を選択しました。

・「進捗報告でお電話したのですが」ではなく「先日の打ち合わせではデザインがずれていてすみませんでした」

 

3.Perceive(推察)

さらに、お客さんの「大丈夫ですか?」という言葉に対して裏側の心理を推察しました。

・思っていたよりも不安が強く、心配している。

 

4.Adjust(修正)

そして、推察した「思っていたよりも不安が強く、心配している」という心理を考慮し修正しました。

・「ご要望について詳しく説明いただいたので大丈夫」と安心させる。

 

 

今日の営業は、相手の状況や気持ちを直接的に感じることができる訪問や電話でのコミュニケーションが減り、相手の状況や気持ちを感じにくいメールやチャット、オンライン中心のコミュニケーションに変わってきています。

そのため、営業社員がコミュニケーションの感性を鍛えにくい、身につけにくい・・・。

 

また、営業の指導も自分の会社の都合で説明することや質問することばかりで、相手の状況や気持ちを想像させる指導、相手の状況や気持ちに合わせた話し方や聞き方の指導が少なくなっているように感じます。

そして、コミュニケーションの感性は変わらないし変えられないとあきらめている会社も多い・・・。

 

みなさんの会社ではいかがでしょうか?

 

 

いくら時代が変わり環境が変わっても、営業はコミュニケーションで成り立つ仕事であり、お客さんの状況や気持ちに影響される仕事です。

 

自分の会社の都合で何を説明するかだけでなく、お客さんの状況や気持ちに合わせて何を、どのように説明するかによって成果の変わる仕事です。

 

コミュニケーション力は営業力の基盤・・・ISPAサイクルでコミュニケーションの感性を鍛えましょう。





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