営業のスキルマップと教育ストーリー
ヒアリング、提案、交渉、…様々なスキルが影響する営業の教育は関係性と階層を考える
2026年1月15日
年が明けて多くの会社で来期の営業強化を考えている時期でしょう。
営業体制や戦略、組織力の強化、・・・
営業に関する様々な課題の中で営業担当者の教育やスキルアップに取り組む会社が増えてきています。
営業は、個人の能力で成果を上げる仕事。
いくら体制や戦略を整え、組織力を強化しようとしても、実際にお客さんに対峙する営業担当者のスキルが伴わなければ売上は上がりません。
しかし、教育してもうまくいかない。
一生懸命に、研修しても、現場で指導しても、営業活動でやらない、やれない。
そして、変わらない、成長しないとあきらめてしまう・・・。
みなさんの会社ではいかがでしょうか?
設備機器商社セントテクノロジーの営業企画部では来期の営業教育について話し合っていました。
営業企画部長Aさん
「うちの営業は、御用聞きばかりで提案しないんだよな」
「Bさん、どう思う?」
営業企画担当Bさん
「そうですね、みんな今まで提案したことがないから教育しないと」
「でも、ヒアリングも弱いですよ、お客さんのことを把握できてないし」
Aさん
「たしかに・・・」
「それに、一緒に飲んだ時に、営業部長がうちの営業は決裁者を説得できないって悩んでたよ」
「何を教育するべきか、営業部に聞いた方がいいな」
Bさん
「そうですね、営業部にヒアリングしてみます」
そして、Bさんは営業部長とマネージャーにヒアリングしてみました。
営業部長Cさん
「今まで設備機器販売ばかりだったけど、これからはIoTや自動化の売上を伸ばさないといけないので提案スキルを教育しないと」
営業マネージャーDさん
「そうですね、ヒアリングも弱いけど、うちの営業は御用聞きばかりで提案できないし・・・」
「提案書の作り方とかプレゼンテーションを教えて欲しい」
セントテクノロジーでは、営業部長とマネージャーにヒアリングした結果、提案スキルの研修を行いました。
研修内容は、
・提案書の目的や構成
・パワーポイントで提案書を作成する方法
・プレゼンテーション
グループワークで、
・共通の題材に対してグループに分かれ提案書を作成
・作成した提案書をグループの代表者が発表(プレゼンテーション)
Bさんが研修後に営業会議に参加してみると・・・
営業部長Cさん
「みんな真剣に受講していたし、グループワークの発表も良かった」
営業マネージャーDさん
「提案書の作成方法やプレゼンテーションを学んだのでこれから提案してくれると思います」
そして、期末の営業会議・・・
営業部長Cさん
「研修したのに、ぜんぜん提案してないじゃないか」
営業担当Eさん
「一度、提案したんですけどお客さんの反応が悪くて・・・」
営業担当Fさん
「提案できるお客さんがいなくて・・・」
せっかく研修したのに営業担当者は提案しませんでした。
営業部の要望を聞いて研修したのに、なぜ提案しなかったのでしょうか?
みなさんも考えてみてください。
セントテクノロジーと同業のリーディング製作所でも営業教育について話し合っていまし た。
営業企画部長Gさん
「うちの営業は、御用聞きばかりで提案しないんだよな」
「Hさん、どう思う?」
営業企画担当Hさん
「そうですね、みんな今まで提案したことがないから教育しないと」
「営業部長も提案スキルを強化しないといけないって言ってましたよ」
営業企画担当Iさん
「でも、そもそも課題を聞けないと提案スキルを教育しても意味ないんじゃないですか?」
Gさん
「でも、ヒアリングぐらいはできるだろう、新人ならともかく、うちは営業経験の長い人が多いんだから」
Iさん
「いや、お客さんの要望や条件はヒアリングできるけど、課題を聞くためのヒアリングなんてしてないんじゃないですか?」
Gさん
「そうかな・・・」
「でも、課題を聞くためのヒアリングってどんなヒアリング?」
「単純に「何か課題ありますか?」って聞けばいいわけじゃないだろう」
Hさん
「あらかじめお客さんの課題を考えて、「こんな課題ないですか?」って投げかけて聞きくとか・・・」
Gさん
「そうしたら、お客さんの課題を考えるスキルも必要だな」
「うちの営業はできる?」
Iさん
「いや、できないと思いますよ」
「だって、うちの営業は御用聞きばかりだったので」
Gさん
「なるほど、提案するためには、課題を聞くためのヒアリングスキルが必要で、
課題を聞くためには、あらかじめお客さんの課題を考えるスキルが必要になるっていうことか・・・」
Hさん
「そうですね、単純に提案書の作り方とかプレゼンテーションを教えてもできないと思いますよ」
「提案するために必要なスキルを洗い出して、どのスキルから教育するべきか考えてみますよ」
Gさん
「そうだな、考えてみてくれ」
その結果、提案スキルの研修は翌年にずらすことにして、以下の研修を行うことにしました。
・お客さんの課題を考えるスキル
・課題を聞くためのヒアリングスキル
そして、期末の営業会議・・・
営業部長
「今期はずいぶん新規案件が増えたな」
「みんながお客さんの課題を聞いてくるようになった成果だと思う」
営業マネージャー
「そうですね」
「ただ、提案は営業企画部に対応してもらったので、来期は提案スキルを強化しないといけないですね」
期が変わり・・・
リーディング製作所では、提案スキルの研修を行いました。
その結果、
課題を聞くためのヒアリングスキルは身についていたので、引き続き新規案件が増えました。
そして、提案スキル研修のおかげで、提案書やプレゼンテーションの精度が上がり受注も増えました。
セントテクノロジーは、提案がぜんぜん増えませんでした。
リーディング製作所は、提案書やプレゼンテーションの精度が上がり受注も増えました。
なぜ、差がついたのでしょうか?
セントテク ノロジーは、
足りないスキルを営業部にヒアリングして、足りないスキルの研修を行いました。
「IoTや自動化の売上を伸ばさないといけないので提案スキルを教育しないと」
「うちの営業は御用聞き営業ばかりで提案できない」
・・・そして、提案スキルの研修。
リーディング製作所は、
単純に足りないスキルの研修をするのではなく、どのようなスキルが必要かを深掘りして考えていました。
「みんな今まで提案したことがないから教育しないと」
「提案するためには、課題を聞くためのヒアリングスキルが必要」

