成長するための4つの要件
営業は個人の力でする仕事、個人が成長すれば売上も上がる
2022年2月15日
業務や環境の改善、情報共有の促進、営業体制の改善、技術部との連携、・・・
営業を強化するために様々なことに取り組んでいることでしょう。
しかし、なかなか営業強化が進まない。
営業とはどのような仕事なのか少し考えてみましょう。
ある会社が営業を強化するために営業部の情報共有を進めていました。
営業社員個人ごとに管理していた提案書を営業部で管理して他の人が使えるように・・・
上司
「Aさん、来週に人材派遣会社のセント商事の提案があるだろ?」
「Bさんが人材派遣会社のポータルカンパニーを受注しただろう。あれは提案が良かったから勝てたんだよ」
「ポータルカンパニーの提案書を参考にして、提案する前にBさんから勝つためのPOINTを教えてもらうように」
Aさんは、提案書を見てBさんの話を聞いてみると
・お客さんの課題と要求も同じ
・会社の方針や決裁者の考え方も似ている
・コンペの相手も同じ
これは勝てる!
セント商事と比べてポータルカンパニーの方が価格にシビアそうだから価格を下げれば受注できるだろう。
Aさんは、Bさんに勝つためのPOINTを教えてもらい、価格を下げて提案しました。
提案後、Aさん
「今、提案してきたんですけどイマイチ理解されませんでした。コンペで負けるか も」
上司
「なんで?」
「うちの強みである使いやすさと品質はちゃんと説明したの?」
「ちょっと提案書を見せてみな」
上司はAさんの提案を見て
「わかりやすくPOINTもしっかりまとめてあるじゃん」
「ちゃんと説明したの?」
Aさん
「Bさんに教えてもらったとおりに説明したんですけど」
2週間後にポータルカンパニーから電話がありました。
「今回は申し訳ないのですが他社に決めました」
ポータルカンパニーの提案書を参考に作成し、勝つためのPOINTもBさんに教えてもらい、価格も下げて提案したのに・・・
なぜ、負けてしまったのでしょうか?
いくら提案書が良くても、いくら勝つためのPOINTをおさえて説明しても、
提案の入り方、話し方や聞き方、相手の疑問や否定への対応方法で、相手の印象や理解が大きく変わってしまう・・・これが営業という仕事です。
営業は個人の力をベースに行う活動。
・説明して理解させる力や会話や質問で情報を聞き出す力
・相手の疑問や否定に対応する力
・顧客の情報に対し提案を考える力や表現する力
・交渉で説得する力
・良い印象を与える力、信頼を得る力
・ ・・・・・
これらの個人の力によって成果を上げる仕事で、成果が変わってしまう仕事です。
個人の力を強化し、その強化した個人の力の上で、業務や環境の改善、情報共有の促進、営業体制の改善、技術部との連携を促進することにより成果を上げる仕事です。
個人の力なくして、情報共有を促進しても成果が上がらないのです。
営業として個人の力がつけばつくほど・・・
より情報も収集できるし、より理解してもらうこともできるし、よりお客さんとの関係も良くなる。
営業とはそういう仕事です。
営業は、成長すればするほど成果の上がる仕事。
では、どうしたら成長することができるのでしょうか?
実は、営業は成長しにくい環境で仕事をしています。
「お客さんのタイプや状況も変わってしまう」
同じタイプ、同じ状況のお客さんであれば前回の反省を生かすことができるけど毎回変わってしまう。変わってしまうので反省を生かす場がなくしばらくすると忘れてしまう。
「お客さんの性格や考え方、状況や課題、決裁者の意向、競合、そして商品の強みや価格・・・いつも様々なことが絡みあっている」
これだけ様々なものが絡み合っていると自分の何がいけなかったのか明確にしにくい。明確にわかれば改善しやすいけれど。
「商談、提案、トラブル、社内調整・・ ・仕事が雑多でころころ変わる」
同じ仕事を継続的に行えば発展、成長しやすいけれど、仕事が雑多で流動的に変わるので継続できない、徹底できない。目先の仕事に追われて成長できない。
今月はお客さんへの課題ヒアリングを徹底しよう。3日後にトラブルが発生しそれどころではない・・・
「場数や経験なかりで育ってきている」
やり方(理論や手法)のない場数や長い間の経験で身につけたものは癖や習慣のようなもの。癖や習慣は変えにくい。今までやってきた営業が凝り固まってしまい、改善できない、発展できない。
「なんだかんだ言って売上、結果至上主義」
みなさんは営業会議で何を話しあっていますか?
やり方やプロセスよりも、売上目標のために、受注になるかならないか、他に案件はないか・・・ばか り。やり方やプロセスにこだわらないと成長しないのに・・・
営業は成長しにくい環境で仕事をしていますが、個人の力で成果を上げる仕事です。
成長しにくい環境ですが、成長が大切な仕事です。
「成長するための4つの要件」
①.自分で考える
②.無理をする
③.行動や発言を変える
④.周りの人を良く見る、考える
①.自分で考える
営業はやり方を教わればその通りにできる仕事ではありません。
商品説明のやり方を教わってもお客さんの状況に合わせて変えなければなりません。状況に応じてやり方を考える力・・・応用力が必要です。
そのためには、教えてもらうのではなく自分で考えることを増やし自分で考える力を身につけなければなりません。
②.無理をする
当たり前ですができることをやっていても成長はありません。自分の限界(できること)を超えるから成長するのです。
そのためには、難しい顧客、やったことのない案件、自分の力ではできない仕事に対し積極的に取り組む必要があります。
③.行動や発言を変える
成長とは変わり続けることです。
「頑張ります、意識します」といっても行動や発言が変わらなければ成長できません。
失敗したとき、できなかったとき「次は気を付けます、頑張ります」と言っている人が多いのですが「次はどのように変えるか」を考えることが大切です。
失敗したら反省する、反省した後は必ず「次はどのように変えるか」を考える・・・この繰り返しで成長するのです。
④.周りの人を良く見る、考える
成長は新たなものを取り入れることで促進できます。
周りの人の行動や発言をよく見て、なぜそのような行動や発言をするのかじっくり考えることで自分のものになり成長するのです。
自分のこと、自分の置かれている環境や悩みばかり考えていても新たなものは取り入れられません。
“あえて作る”
成長しにくい環境で成長するためには、今期の売上や目先の仕事に追われるばかりでなく、成長するための4つの要件に取り組む機会を”あえて”作らなければなりません。
営業は個人の力で成果を上げる仕事です。
個人の力が上がれば・・・
営業成果も売上も上がります。
また、より効率的に楽に仕事ができるようになります。
苦労し時間がかかっていた情報収集や交渉もスムーズになります。
そして、みなさんの将来の可能性も大きくなるのです。
個人の力で仕事をする営業の本当の価値は、個人の力が身につくことであり、力を身につけたことによる将来です。
教えてもらうのではなく自分で考えていますか?
「難しい、できない」ではなく、できないことをやろうとして無理をしていますか?
「意識する、頑張ります」ではなく、行動や発言を変えていますか?
自分のことばかりでなく、周りの人を良く見て、考えていますか?
みなさんは、日々の仕事でこの成長するための4つの要件に取り組んでいますか?
定期的に自分を振り返り取り組んでください。
今期の売上や目先の仕事に追われているだけでは”営業にとって大切な成長”はできません。
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