なぜなぜによる指導②
計画、戦略、営業方法、商品、仕事量…何を追及するか明確にしてから「なぜなぜ」を
2025年7月15日
部下が受注できると思っていた案件を失注してしまった。
見込んでいた売上をカバーするために売上計画の対策を考えることと同じぐらい、部下の営業のどこが悪くて、何を改善するかを考え指導することは大切。
コミュニケーションやヒアリング力、説明や提案力、交渉力、戦略力・・・営業は様々なスキルが必要な仕事。
部下のスキルが高くなれば、お客さんや案件を任せることができ、また受注も増え、売上が上がる仕事です。
そのため、一つひとつの営業活動で原因を追及し、一つひとつの営業方法やスキルを改善することは大切です。
失注は部下の営業方法やスキルを改善し成長させる大きなチャンスです。
しかし、失注の原因を追及しようとしてもうまくいかない・・・。
ある会社の営業マネージャーAさんは悩んでいました。
「部下のBさんは 引き合いのお客さんを担当しても失注ばかり」
「Bさんの営業は何がいけないのだろうか?」
Aさんは営業方法を指導しようとBさんと面談しました。
マネージャーAさん
「セント商事の案件はなんで失注したの?」
「受注できるって言ってたじゃないか」
部下Bさん
「提案したときはお客さんの評価が良かったんです」
Aさん
「提案の評価が良かったのになぜ?」
Bさん
「うちが提案した後に競合のリーディング技研とコンペになってしまったんです」
「結局、うちの商品は価格が高いって言われて断られてしまいました」
Aさん
「なんでコンペになるのがわからなかったの?」
Bさん
「だって、お客さんが他の会社には声を掛けないって言ってたんです」
Aさん
「でも、500万円規模の案件なんだからコンペになるのは予測できるだろう?」
Bさん
「コンペになるってわかっててもうちの商品は高いから勝てないじゃないですか」
Aさん
「わかっていたら手を打てたかもしれないじゃないか?」
「受注しているお客さんだっているんだから、価格だけじゃなくてBさんの営業方法も見直さないと」
Bさん
「でも、私の案件はほとんどが価格のせいで負けているんですよ」
「なんでうちは他社より高いんですか?」
Aさん
「商品開発にかなり投資しているから価格を下げにくいんだよ」
Bさん
「それは他の会社も同じでしょう」
Aさん
「定価を下げるのは難しいけどコンペでは値引きが必要かもしれないな」
「部長と話してみるよ」
結局、Bさんの営業方法を改善する話にはならず、値引きの話で打ち合わせが終わってしまいました。
みなさ ん、ここでAさんとBさんの会話から考えてみてください。
なぜ値引きの話で終わってしまったのでしょうか?
Bさんの営業方法を改善するためにはどうすれば良かったのでしょうか?
Aさんの意識とBさんの意識を比べてみましょう。
マネージャーAさんは、
「セント商事の案件はなんで失注したの?」
→「提案の評価が良かったのになぜ?」
→「なんでコンペになるのがわからなかったの?」
→「わかっていたら手を打てたかもしれないじゃないか?」
→「Bさんの営業方法も見直さないと」
部下Bさんは、
「セント商事の案件はなんで失注したの?」
→「うちの商品は価格が高いって言われて断られてしまいました」
→「コンペになるってわかっててもうちの商品は価格が高いから勝てない」
→「私の案件はほとんどが価格のせいで負けているんですよ」
Aさんの意識は、
Bさんの営業方法にも問題がある、Bさんの営業方法を改善しないといけない。
Bさんの意識は、

