競合に勝てる提案
競合との勝負は提案前の情報収集で勝つ
2017年9月15日
売上を上げよう、受注を獲得しようと頑張っている中で、顧客からの提案依頼は大きなチャンスです。
なんとしてでも競合に勝ち受注を獲得しなければならない・・・
みなさんはどうやって競合に勝ちますか?
今回は、提案で競合に勝つ方法についてのお話です。
広告会社の営業担当Aさんが○○社に提案したときのことです。
顧客からの要望
・昨年立ち上げたサービスの販売を強化するためプロモーションを検討している
・ターゲットは若い社会人
・広告掲載だけでは反響が増えないのでダイレクトにアプローチできる施策が必要
・価格の安い競合サービスも多いので、質の高さを前面に打ち出したい
・プロモーションの反響をサービスのWEBページに誘導したい
Aさんが考えた自社の強み
・○○社の同業他社実績、類似しているサービスのプロモーション実績が多い
・顧客がダイレクトアプローチを重視しているので、反響が少ない場合は無料でメール配信を1回追加
Aさんの提案
・毎月2万部発行している自社メディアに広告を掲載
・自社メディアの会員は若い会員が多く10万人を超えている
・サービス内容では差別化が難しいので、質の高さを訴求するため利用者の声を掲載
・自社メディアの広告掲載の他に20代~30代の社会人に向けて掲載期間に2回メール配信
・サービスのWEBページへのアクセス数を計測し、1,000人に満たない場合は無料でメール配信を1回追加
・同業他社での広告、メール配信実績
そして2週間後に顧客担当者から・・・
「今回は他社に決めました。御社の提案も悪くなかったのでずいぶん迷ったのですが、他社の方が安かったので」
その後、営業会議で・・・
Aさん
「○○社の案件ですが失注してしまいした。他社の方が安かったようで・・・」
上司Bさん
「メール配信を1回分無料で付けたのに負けたの?あの価格で3回分のメール配信を提案する競合はいないだろう?実績もうちの方があるのに・・・」
Aさん
「実績や反響に応じてメール配信を増やすことは評価されたのですが、競合の提案も良かったようで、ずいぶん迷ったようですが結局価格で決めたみたいです」
上司Bさん
「うーん、そっか、しょうがない・・・」
本当にしょうがなかったのでしょうか?
本当に価格で負けたのでしょうか?
この提案の本当の敗因は提案内容や価格で はありません。
ほとんどの営業担当者が、顧客の要望を一生懸命聞いて、その要望に対して提案を考えています。
顧客から聞いた要望に対し、どのような提案であれば勝てるか・・・
顧客から聞いた要望に対し、自社の強みや実績をアピールしようと・・・
しかし、この顧客の要望は競合も聞いています。
要望以外にも、重視することや条件など同じ情報を聞いています。
つまり、競合と同じ要望や重視すること、条件などの情報を聞き、同じ情報に対し提案を考えているのです。
当然、競合も提案に勝とうと一生懸命・・・
・重視しているダイレクトアプローチに対して提案を考えているでしょう
・質の高さを前面に出したいという要望に対して提案を考えているでしょう
・サービスのWEBページに誘導したいという要望に対して提案を考えているでしょう
・実績をアピールしようと考えているでしょう
同じ情報に対して、自分も競合も強みや実績を考えて提案をするということは、
顧客の要望に対し・・・
・自分の会社の商品の強みや実績があっていれば勝てる
・自分の会社の商品の強みや実績があっていなければ負ける
・あまり差がなければ、価格頼み、運頼み
ということです。
つまり、同じ情報に対して提案するということは、商品力勝負か価格勝負、運頼みにしかなりません。
必ず勝てるという商品を持っているのであれば良いのですが、どの会社もより良い商品を作ろう、売れる商品にしようと努力している中で、競合と比べて必ず勝てるという商品は少ないものです。
みなさんの会社の商品はいかがでしょうか?
競合に必ず勝てるだけの強みを持った商品でしょうか?
この提案の本当の敗因は競合も収集した同じ要望(情報)に対して勝負したことです。
競合に勝つためには、提案で勝負するのではなく、提案前の情報収集で勝負するのです。
提案前に競合が知らない情報を収集できるか否かで勝負するのです。
つまり、提案前に競合が知らない情報を知り、その競合が知らない情報を踏まえ提案することで勝てるのです。
では、競合が知らない情報とは?
顧客が考えて伝えてくる要望は、当然、競合にも伝わります。
とい うことは、顧客が考えて伝えてくる要望以外の要望を知らなくてはなりません。
顧客が考えていない、気づいていない課題に対する要望・・・
もし、顧客が考えて伝えてきた要望以外に・・・
「今回プロモーションするサービス以外にも同じ若い社会人向けのサービスを抱えていて、今後、他のサービスのプロモーションも強化しないといけなくなる」
という課題を知ることができていたらどうなっていたでしょう?
「サービスのWEBページへの誘導だけでなく、ターゲットのメールアドレスを取得し、今後、強化する他のサービスのプロモーションに活用する」といった提案ができたかもしれません。
この提案は自分しか知らない情報で考えた提案であり、競合にはできない提案です。
同じ情報で提案を考えると商品力や価格で勝負することしかできず、どの会社も商品力を強化し、価格を抑えようとしている今日、差別化することは困難です。
しかし、競合が知らない情報を把握することができれば、差別化できる有利な提案を考えることができます。
営業力で提案に勝つということは、提案前の情報収集で勝つということです。
競合が知らない
「要望以外の別の課題」「要望の裏にある本当の目的」「決裁者など担当者以外の人の意向」・・・
1つでいいから顧客が伝えた要望以外の情報を見つけましょう。
1つでいいから顧客が考えていない、気づいていない課題を見つけましょう。
そして、考えていない、気づいていない課題を顧客に理解させ、顧客と共有しましょう。
顧客の要望を聞いて提案を考えるだけでは、商品力勝負、価格勝負、運頼みになってしまいます。
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