相談関係の5つの要件「対等なコミュニケーション」
へりくだった丁寧な話し方では課題解決型営業ができない
2019年4月15日
一生懸命に顧客の課題と提案を考えて訪問しても、課題を言ってもらえない、提案を聞いてもらえない・・・
会社に戻って相談すると「もっと遠慮しないで聞けばいいんだよ」
遠慮しないで聞いても、顧客は 言ってくれない・・・
そして、会社に戻って相談すると「お客さんに信用されてないからだよ、もっと訪問して関係を作れ」
定期的に訪問しているのに、顧客は言ってくれない・・・
「関係を作れ」といわれるけれど、課題を言ってもらい、提案を聞いてもらうためにはどのような関係を作ればよいのか?どうしたら関係が作れるのか?
ある営業担当者Aさんが上司にいつも怒られていて転職しようか悩んでいます。
Aさんは、友人のBさんとCさんに相談しました。
みなさんがAさんだったら、BさんとCさんの言葉遣いや話し方に対してどのよ うに感じますか?
以下のBさんとCさんを比べて考えてみてください。
相談のはじめ・・・
Bさんの場合
「よかったら相談にのるよ。最近、仕事がうまくいっていないって言ってたけどどうしたの?」
Cさんの場合
「よろしければ、A様のお悩みをお聞かせいただきたいと思っております。最近、お仕事がうまくいっていないとおしゃっていましたがいかがでしょうか?」
状況を聞くときに・・・
Bさんの場合
「Aさんは、入社してから仕事のことばかり考えて頑張ってるのになあ、なんで?」
Cさんの場合
「A様は、入社されてからお仕事のことばかり考えて頑張ってらっしゃるのになぜでしょうか?」
アドバイスするときに・・・
Bさんの場合
「本当はAさんに期待しているんじゃない?なんでもまじめに考える方だし、コミュニケーション力も高いから鍛えれば伸びるだろうと思って」
「私なんて、ミスしても上司に怒られないから、逆に期待されてないと思うことが多いよ」
Cさんの場合
「本当はA様に期待しているのではないでしょうか?何事にもまじめにお考えになられ、コミュニケーション力も高いので鍛えれば伸びるとお思いになられているのではないでしょうか?」
「私なんぞは、ミスをしても上司に怒られることもないので、逆に期待されていないと思うおとも多くございます」
Aさんに「どこか紹介して」と要求されたとき・・・
Bさんの場合
「わかった、営業社員を採用したい会社があったら紹介するよ」
Cさんの場合
「かしこまりました。営業社員を採用したい会社がありましたら、ぜひご紹介させてください」
BさんもCさんも同じことを言っています。
みなさんは、BさんとCさんにどのような印象を持ちましたか?
また、BさんとCさんのどちらが相談しやすい印象を持ちましたか?
BさんもCさんも一生懸命に相談にのってくれているように思いますが・・・
Bさんにはラフな印象、Cさんには丁寧で腰の低い印象
Bさんには距離が近いと感じ、Cさんには少し距離があるような印象
Bさんは相談にのってあげている印象、Cさんは悩みを言ってもらっている、要求してもらっている印象
コミュニケーションは、情報の伝達という目的の他にも、相手との関係性を作る、場の空気を作るものです。
つまり、言葉遣いや話し方は相手との関係性を作るものです。
へりくだった(下から目線)話し方をすると相手は上から目線になり、「自分が下、相手が上」という上下の関係に・・・
対等な話し方をすると、対等な関係に・・・
一般的に、営業は顧客に対する言葉遣いや話し方がへりくだってしまうものです。
これは、営業の環境や育ちに起因しています。
営業に携わっていると顧客に対し・・・
・話を聞いてもらう
・理解してもらう
・気に入ってもらう
・トラブルが起こったら許してもらう
・失礼があったらいけない、失礼にならないように
日々、自分も上司の指導も「顧客に対してへりくだる」というスタンスで仕事をしています。
そのため、ほとんどの営業担当者が、へりくだった言葉遣いや話し方になってしまっています。
課題解決型営業とは、顧客に課題を言ってもらい、営業が解決策を提案する営業・・・つまり、相手に悩みを言ってもらい、自分がアドバイスする営業です。
この課題解決型営業には、顧客と営業の間に頼られ相談されるという相談関係が必要です。
相談関係とは、対等な関係、または相談される自分が上の関係で成り立つものです。
上下の関係で、相手が上の立場になると「使ってあげよう」や「要求する」という上から目線の意識にはなり、頼り相談しにくくなります。
つまり、悩みを言いにくくなり、またアドバイスを純粋に受け入れにくくなります。
この「自分が下、相手が上」という上下の関係が障壁になり課題解決型営業ができないというケースが多く見受けられます。
へりくだった言葉遣いや話し方が上下の関係を作ってしまう・・・
その結果、一生懸命に顧客の課題と提案を考えて訪問しても、課題を言ってもらえない、提案を聞いてもらえない・・・
課題解決型営業において、適切な言葉遣いや話し方はひとつ上の先輩や上司との会話程度です。
「へりくだり過ぎず、失礼でない程度」
先輩や上司に対して失礼だったりラフ過ぎる人もいるとは思いますが・・・
Cさんの「A様」ではなく、「Aさん」
Cさんの「いかがでしょうか」ではなく、「いかがですか」
Cさんの「頑張ってらっしゃるのに」ではなく、「頑張ってるのに」
Cさんの「お考えになられて」ではなく、「考えられて」「考えていて」
Cさんの「私なんぞ」ではなく、「私なんて」
Cさんの「ございます」ではなく、「です」
Cさんの「かしこまりました」ではなく、「わかりました」
Cさんの「ぜひ、ご紹介させてください」ではなく、「紹介させていただきます」
新規開拓営業や紹介をもらったときなど、はじめての面談のときも同じです。
初対面のときは、特に「失礼にならないように」という意識が働きへりくだってしまう傾向があります。
しかし、顧客との関係(人と人の関係)は、途中で変えることが難しいものです。
はじめの面談で上下の関係ができてしまうと、その後で対等な関係に変えようとしても変えられない・・・その結果、ずっと上下の関係のままで課題解決型営業ができなくなってしまいます。
相手に悩みを言ってもらい、アドバイスをするという課題解決型営業には、使ってもらう、使われる関係ではなく、頼られ相談されるという相談関係が必要です。
ぜひ、顧客との話し方とひとつ上の先輩や上司との話し方を比べてみてください。
へりくだっているようでしたら改善しましょう。
営業活動は顧客との関係のうえで成り立つものです。
顧客と相談関係を作ると、課題解決型営業だけでなく、営業活動で発生する様々な交渉事やトラブルも対応しやすくなります。
(注)
「馴れ馴れしい」は、対等なコミュニケーションとは違います。へりくだらないと話し方をしようとしても馴れ馴れしくなってはいけません。
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