潜在課題を聞き出すシナリオ
潜在課題は聞いてもダメ…背景の会話からから想像させ、考えさせる
2026年3月15日
潜在課題を聞き出してもっと多くの案件を獲得しよう!
お客さんがすでに検討している顕在課題だけではなく、より多くの案件を獲得するために潜在課題に提案しようという会社が増えています。
しかし、潜在課題とは、
優先順位が低いので検討していない課題
明確でないため検討していない課題
気づいていないので検討していない課題
お客さんの中で優先順位が低い、明確でない、気づいていない課題を聞き出すことは難しい。
結局、顕在課題(すでに検討していることや要望)だけ聞いてきて、コンペで価格勝負になってしまう・・・。
オフィス家具メーカーのセントコンサルティングの営業担当Aさんが、広告会社のリーディングプロモーションを訪問しました。
Aさんは訪問して課題を聞こうと、
「御社では新規事業を立ち上げているので部門間の連携強化が必要だ と思うんですけど、事務所のレイアウトで何か課題はありませんか?」
リーディングプロモーションの担当者
「いや、コロナ禍でフロアを半分にしたときにレイアウトを変更したんですけど、慣れてきたので問題ないですよ」
Aさん
「そうなんですか、レイアウト変更してから3年経ちますからね」
「その後、従業員の人からデスクとか設備について何か要望がでていませんか?」
リーディングプロモーションの担当者
「そうですね・・・」
「出社する人が多いときは席が足りないっていう話を聞きますけど」
Aさん
「そうなんですか、出社して席がないと困りますよね?」
リーディングプロモーションの担当者
「カフェスペースがあって、そこでも仕事ができるから大丈夫ですよ」
Aさん
「そうですか・・・」
「今度、レイアウトを変更されるときは、ぜひお声がけください」
Aさんは会社に戻り上司に報告、
「レイアウト変更してから3年経って、慣れてきたので問題ないみたいです」
・・・Aさんは課題がないと思っていました。
ところが、リーディングプロモーションは、半年後にレイアウトを変更し、デスクやキャビネットを購入しました。
Aさんには問題ない、大丈夫と言っていたのに・・・。
そのレイアウト変更を受注した会社は競合のアドバイスソリューションでした。
アドバイスソリューションはどのような営業をしたのでしょうか?
アドバイスソリューションの営業担当Bさんは・・・
Bさんは訪問して、
「先月のプレスリリースを拝見したんですけど、データコンサル系のサービスに力を入れているみたいですね」
リーディングプロモーションの担当者
「そうみたいです」
「データコンサルティング室を新設して、プロモーション施策の企画から運用、効果検証を一気通貫で支援するサービスを強化しているみたいです」
Bさん
「そうなんですか、広告業界ではどの会社もデータ分析とかAIに力を入れているみたいですからね」
「この間、大手広告会社のポータルアドバタイジングが、AIでプロモーションを企画するサービスをリリースしていましたよ」
「AIでターゲットの選定とか企画とかできちゃうんですかね?」
リーディングプロモーションの担当者
「詳しくは知らないですけど、できちゃうんじゃないですか」
「AIでWEBやチラシが作れちゃう時代ですから」
Bさん
「そうですよね」
「御社のマーケティング企画部でもAIを使っているんですか?」
リーディングプロモーションの担当者
「使っていますよ、市場調査とか分析ではAIを使っているみたいです」
「あと、ミーティングの議事録とか」
Bさん
「そうですか、うちの会社でも議事録はAIで作ってますよ」
「新人が作成していたときよりもわかりやすいんですよ。要点もちゃんと整理されていて」
リーディングプロモーションの担当者
「そうなんですよ、すごいですよね」
Bさん
「御社では、ずいぶんミーティングが増えているんじゃないですか?」
「営業とマーケティング企画部や制作部とか、部門間の連携が増えていると思いますし・・・」
リーディングプロモーションの担当者
「そうなんですよ、今はデータコンサルティング室がほとんどの案件に絡むのでさらにミーティングが増えているみたいで」
Bさん
「そうなんですか、ミーティングルームは足りてるんですか?」
リーディングプロモーションの担当者
「いや、足りなくて予約するのが大変で」
Bさん
「えっ、足りないってどうしてるんですか?」
「データコンサル系のサービスって、データコンサルティング室とのミーティングが必要だと思うんですけど」
リーディングプロモーションの担当者
「そうなんですけど、フロアを半分にしたのでスペースがなくて・・・」
「ミーティングルームをとれないときは自席からオンラインでやっているみたいです」
Bさん
「そうなんですか、でも自席からだとうるさいときもあるし、ミーティングしにくいんじゃないですか?」
リーディングプロモーションの担当者
「そうですよね、レイアウトを見直してミーティングルームを増やした方がいいかもしれない・・・」
Bさん
「データコンサル系のサービスは部門間の連携が重要だからミーティングルームは必要だと思いますよ」
リーディングプロモーションの担当者
「たしかに・・・」
「今度、マーケティング企画部にヒアリングして、今月の部会で話してみますよ」
アドバイスソリューションのBさんは、
リーディングプロモーションにとって、なんとなくわかっていたけれど明確でないため検討していなかった潜在課題を聞き出すことができました。
「レイアウトを見直してミーティングルームを増やした方がいい」
なぜ、セントコンサルティングのAさんが聞けなかったのに、Bさんは聞き出すことができたのでしょうか?
AさんとBさんの会話を比べてみましょう。
Aさんは・・・
「事務所のレイアウトで何か課題はありませんか?」と課題について直接的に質問。
「デスクとか設備について何か要望がでていませんか?」と要望について直接的に質問。
「席が足りない」と言ったお客さんに対して、「出社して席がないと困りますよね?」と直接的に問題を聞いていました。
しかし、直接的に質問されたり、聞かれても・・・
優先順位が低くて検討していない課題は「必要ないです」としか答えません。
「カフェスペースがあって、そこでも仕事ができるから大丈夫」
明確でない、気づいていない課題は「ありません」としか答えられません。
「レイアウトを変更したんですけど、慣れてき たので問題ない」
Bさんは・・・
はじめに、市場環境や経営課題、戦略の会話をしました。
「データコンサル系のサービスに力を入れている」(経営課題や戦略)
「広告業界ではどの会社もデータ分析とかAIに力を入れている」(競合の状況(市場環境))
そして、経営課題や戦略から現場の状況に会話を落とし、現場の状況を想像させ、考えさせました。
データコンサル系のサービスに力を入れていると・・・「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」(経営課題や戦略に対する現場の状況)
さらに、現場の状況から課題を考えさせ、気づかせました。
「レイアウトを見直してミーティングルームを増やした方がいい」
「データコンサル系のサービスは部門間の連携が重要だからミーティングルームは必要」
Bさんは、直接的に課題や要望、問題を聞くのではなく、会話の中で想像させ、考えさせて聞き出したのです。
潜在課題を聞き出すシナリオ
潜在課題は①から③の順番で、お客さんに想像させ、考えさせながら聞き出しましょう。
①.市場環境や経営課題、戦略の会話を盛り上げる。
②.経営課題や戦略から現場の状況の会話に落とし、現場の状況を想像させ、考えさせる。
③.現場の状況の会話から課題を考えさせて気づかせ、聞き出す。
①の市場環境や経営課題、戦略は、現場の状況の原因です。
「データコンサル系のサービスに力を入れている」から「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」という現場の状況があるのです。
そのため、
経営課題や戦略の会話「データコンサル系のサービスに力を入れている」
→そうすると・・・
現場の状況の会話「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」
と会話を落とし込み現場の状況を想像させ、考えさせることができます。
②の現場の状況は、課題の原因です。
「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」から「レイアウトを見直してミーティングルームを増やした方がいい」という課題が生まれるのです。
そのため、
現場の状況の会話「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」
→”そうすると”・・・
課題の会話「レイアウトを見直してミーティングルームを増やした方がいい」
と課題を考えさせることができます。
その結果、③の課題の会話で・・・
明確でない、気づいていない課題を明確にさせ、気づかせることができるのです。
「部門間の連携が増えている」「ミーティングルームが足りない」→「レイアウトを見直した方がいい」という課題がある。
優先順位が低い課題に対し重要だと考えさせることができるのです。
「部門間の連携が重要」→「レイアウトを見直した方がいい」という課題は重要。
潜在課題は、優先順位が低い課題、明確でない課題、気づいていない課題です。
直接的に質問されても、お客さんは教えません、教えられません。
潜在課題を聞き出すためには、お客さんに「想像させ、考えさせる」ことが大切です。
そのためには、課題や課題の原 因(現場の状況)について想像させ、考えさせることができる背景(市場環境や経営課題)の会話から聞き出すシナリオが必要です。
顕在、潜在に関わらず、お客さんの課題や要望、問題はすべてお客さんに教えてもらうというスタンスで営業活動を行っている人が多く見受けられます。
顕在課題はお客さんに教えてもらう営業でかまいません。
しかし、潜在課題は教えてもらうのではなく、お客さんに想像させる、考えさせる営業が必要です。
潜在課題は、直接的に聞いて教えてもらうのではなく、課題の背景の会話から想像させ、考えさせながら聞き出しましょう。
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